Have a nice green.
といっても、
それはひとつの爆弾のスイッチだっただけで、彼のひと言がすべてじゃなく、
結局のところ、私自身なにかきっかけを探してたのです。
まだスタイリストアシスタントだった頃。ハッスルという所属事務所の先輩スタイリストのある方は、
「僕は四〇でスタイリストをやめる」
といってました。
テレビの大物司会者から突然の芸能界引退、残りの人生はオーストラリアで悠々自適な暮らし。
90年代の終わり。バブルが去ったとはいえ、ファッション業界の先輩たちはそういう優雅な夢を夢想してたんだと思います。
もちろん私にも、それは漠然とかっこよく思え、いつしか自身の目標にもなっていました。
けれども月日は流れ、元事務所のボスはオーストラリアで暮らしてないし、元先輩もスタイリストのまま。
ああ、なんだ。そうか、やっぱりね。
などと感じてる間に自分も四〇を迎え、夢や目標を失ないかけていたところ、そのスイッチを彼が押してくれた。むしろ感謝です。
といったところで時間切れ。
すいません、また次回ということで。