forest+mountain=future.

森山未來という友人がいます。

そもそも仕事を通じた間柄ですが、もはや関わりない場所にいるので、いまはただの友人ということで。

私、交友関係は広いようで、じつはそれほどでもなく。とくに酒を呑む間柄の人間は、思えば彼の他に数えるほどしかいません。

歳はひと回りも離れてますが、精神年齢は私と同等か、もしくは上かと思うこともあります。

私は人見知りですが、彼も人見知りです。

私の性格は頑固ですが、彼の性格も頑固です。

私は酒癖が悪いですが、彼の酒癖は酷いです。

私はたぶん性格が悪いですが、彼の性格は間違いなく最悪です。

私はひねくれ者ですが、彼はねじれすぎててむしろ正面かも。

つまり、私にとってはいいバイブスの持ち主です。

彼の日本での主な肩書きは、俳優、芸能人です。が、ダンサーでもあります。

ダンサーといっても、エグザイル的なお茶の間にうけるタイプのダンスでなく、主にコンテンポラリーというお茶の間にうけないタイプの。日本では。

なので、日本のテレビやニュースでは彼のそういう側面はあまりフィーチャーされません。

文化庁の文化交流使として一年間、単身イスラエルのダンスカンパニーに所属していたことも、それを機にいま世界中で活動していることも、たぶんお茶の間にはあまり知られてない様子です。

先ほど言ったとおり、私は性格が悪いので狭い日本の幼稚な芸能界のイケメンとか性格とか俳優ぶってる芸NO人は興味ない、ですが、彼はアーティスト、クリエイターとしてリスペクトしています。

さて。

数年前、彼が主演で、大根仁さんが監督を務めた舞台版「ヘドウィグアンドアングリーインチ」という舞台を観劇しに行きました。

舞台は最終日だったのでその後打ち上げがあり、私もお邪魔させてもらって、そのまま二次会、三次会、最終的に残った数名で恵比寿横丁へたどり着いたのです。

あの恵比寿横丁の居酒屋の汚いテーブルと丸イスに陣どって、席には舞台を観にきていた椎名林檎さんも居て、彼と何やらアーティスト同士の熱い会話を繰り広げてました。

私はただそれを聞くともなし隣で焼酎かっこんでたところ、突然彼からこう言われたんです。

「ところで、シガさんはマジでやってんの?」

ついに来たなと。

そう、彼は私にスタイリスト真面目にやってるか?と聞いてるのです。

正直、いちばん聞きたくなかったパンチラインかもしれません。

もちろん、仕事で手を抜いたことはないです。でも彼が聞いてるのはそういうコトじゃないのは、痛いくらいわかりました。

なので正直に答えました。

「マジじゃない」

つまり仕事じゃなく、ファッションに真摯に向き合ってるかということです。もちろん答えはNO。

あんまり物事気にするタイプじゃないんですが、めずらしくその日は眠れませんでした。

残念ながらどんなに酔っても記憶なくすタイプじゃないので、それから2、3日考えこみました。

で、出した答えが、スタイリスト引退です。

そう、ファッションへの情熱などとっくに覚めてました。仕事として惰性でやってただけです。

でもそれじゃ、彼のように全身全霊、満身創痍で物事に取り組んでる人間に失礼です。

それは同じように「マジでやってる」同じ業界のひとにも失礼です。

だから潔く身を引くのが、せめてもの償いであり、感謝であり、リスペクトかなと。

そう思いまして。

でも「なんか、俺も熱くなりてーなあ!」(ファッション以外で)という思い。

で、なんで庭師?

て話はもう眠いのでまた次回にします。

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写真は森山のFacebookから勝手にパクりました。

ちなみに当時「森山未來椎名林檎と深夜の密会  怒った嫁に水ぶっかけられる」みたいな週刊誌記事が出ましたが、ぶっかけられたのはウーロンハイで、その横で私は人生の岐路に立ってました。